⑫近年の医療事情


聴診器

 平成28年(2016)の統計では総人口に対する65歳以上の高齢者の割合がついに25%を超え、4人に1人は高齢者となりました。

平成20年(2008年)後期高齢者医療制度の発足から後期高齢者の受診も顕著に増加しております。

60歳以上の高齢者には自覚的健康者といえども、その70%は何らかの異常が認められるとのことです。これに伴いガン次いで心疾患、肺炎、脳血管障害と言った慢性疾患が死因の大部分を占めるようになりました。

平成30年(2018年)の統計では死因のトップはガン、次いで心疾患が2位で変わらないが、第3位は「老衰死」となり、老衰死が日本人の3大死因の一つに初めて登場してきました。 これまでの3大死因の一角を占めてきた脳血管障害は第4位に順位を落としました。

しかし、高齢者の死因に肺炎が大きく影を落としていることには変わりはありません。

肺炎で亡くなる人の97%以上を65歳以上の高齢者が占めているのです。 肺炎による死亡率は年齢を重ねるほど増えていきます。

肺炎による死因は、60代では第5位ですが、70代では4位、80代では3位、90代では2位となりガンより多くなるのです。なお、1位は心疾患です。

そして、肺炎の原因は誤嚥が関係しているといわれております。
つまり、ほとんどの原因は誤って気管に唾液と一緒入った口腔内細菌によるものなのです。レジン床は細菌の巣窟であると言われてきました。

歯科医療従事者には障害者や高齢者の摂食嚥下指導や口腔ケアの指導も求められておりますし、また現に奮闘中でもあります。

全身麻酔下手術やガンの放射線治療あるいは化学療法の際には周術期医療としての「口腔機能管理」は極めて重要であることが認識されてきました。

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